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生きもの図鑑:そのほかのいろんな生きもの

ゼニイシ【銭石】
有孔虫門 有孔虫綱 ソリティーデ目

岩の表面に付着しているゼニイシ。宮古島下崎 2007/06/03。


無数の孔が年輪状に並んでいる。下地島佐和田の浜 浅瀬 2020/11/27。


体の縁から多数本の偽足(ぎそく)を伸ばすゼニイシ。宮古島産 2011/03/07。

表面にたくさんの孔(あな)が開いた石灰質の殻をもつ原生生物を有孔虫(ゆうこうちゅう)と言いますが、その中でも薄い円盤状、コインのような形の殻をもつものがゼニイシです。

殻の中には原形質というアメーバ状の体が入っています。無数の孔から偽足(ぎそく; 仮足ともいう)を伸ばして岩や海藻の表面などに付着したり、餌となる有機物のかけらを集めたりしています。偽足を使って移動することもできます。体内に共生する渦鞭毛藻(うずべんもうそう)からも栄養をもらっているそうです。

ゼニイシなどの有孔虫は、サンゴ礁に広く分布し量も多いので、その死後に残された殻はサンゴ礁の砂となり、堆積・固結してサンゴ礁石灰岩になります。有孔虫の殻は炭酸カルシウムでできていますが、1年間に1㎡で10g~1kgもの炭酸カルシウムをつくりだすという研究例もあります。体は数ミリいかと、とても小さいのですが、サンゴ礁の砂や石灰岩の形成には重要な役割を果たしているのです。


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